ip route
CiscoルータやCatalystのip routeコマンドについて、構文や使い方を設定例交えて説明しています。
説明
ip routeコマンドによりIPv4のスタティックルーティングを設定出来ます。
宛先は192.168.1.1等IPアドレスで設定する事も可能ですが、通常はネットワークアドレス、又はサブネット番号で設定します。
構文
ip routeコマンドの構文は以下の通りです。
ip route 宛先アドレス マスク ゲートウェイアドレス [ アドミニストレーティブディスタンス ]
宛先アドレスは通信先のアドレスですが、通常はネットワークアドレス、又はサブネット番号を指定します。
マスクはサブネットマスクを示しますが、サブネット化していない場合は各クラス毎のマスクを指定します。複数のサブネットを集約したり、CIDRにより束ねるようにマスクを設定する事も出来ます。
アドミニストレーティブディスタンスのデフォルトは1です。このため、省略するとRIPやOSPF等の経路より優先されます。
スタティックルートは複数定義出来ます。
デフォルトではスタティックルートは設定されていません。
設定例
宛先アドレスを172.16.2.0、マスクを255.255.255.0、ゲートウェイを172.16.1.1とする場合の設定は以下の通りです。
Cisco(config)# ip route 172.16.2.0 255.255.255.0 172.16.1.1 Cisco(config)#
構文の図で示したようにアドレスを集約してスタティックルートを設定する場合は以下の通りです。
Cisco(config)# ip route 192.168.0.0 255.255.192.0 192.168.64.1 Cisco(config)#
上記で192.168.0.0〜192.168.63.255までのアドレスは192.168.64.1に送られるようになります。192.168.0.0〜192.168.63.255までのアドレスを集約出来るようマスクを設定する必要があります。
デフォルトルートでゲートウェイを192.168.1.1とする場合の設定は以下の通りです。
Cisco(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.1.1 Cisco(config)#
ルーティングテーブルにない宛先のパケットを受信するとデフォルトルートが使われます。
又、アドミニストレーティブディスタンスの数字を大きくして、RIPやOSPFの経路より優先度を下げる事が出来ます。
Cisco(config)# ip route 172.16.2.0 255.255.255.0 172.16.1.1 125 Cisco(config)#
同じ経路がRIPやOSPFでも存在していると、通常時はRIPやOSPFの経路で通信し、障害等でRIPやOSPFの経路が無効になった時にスタティックルーティングの経路が有効になるため、経路を冗長化出来ます。これをフローティングスタティックと言います。
利用可能なモード
・グローバルコンフィギュレーションモード
削除
スタティックルートを削除する設定は以下の通りです。
Cisco(config)# no ip route 宛先アドレス マスク ゲートウェイアドレス Cisco(config)#
指定したスタティックルートのみ削除されます。
関連ページ
・設定編「スタティックルーティングの設定」
Catalystでスタティックルーティングを設定する方法や確認方法について説明しています。
・設定編「フローティングスタティックの設定」
スタティックルーティングを使った経路の冗長化を説明しています。