vtp mode
Catalystのvtp modeコマンドについて、構文や使い方を設定例交えて説明しています。
説明
vtp modeコマンドを使うと、サーバーモードやクライアントモードなど、VTP(VLAN Trunk Protocol)での役割を設定できます。
VTPを使うと、サーバーモードに設定したLANスイッチからVLAN情報を送信し、クライアントモードに設定したLANスイッチでVLANを自動作成、変更、削除などができます。
サーバーモードのLANスイッチで変更したVLAN情報は、同じドメイン名が設定されたLANスイッチで反映されます。
VTPを送受信するためには、トランクポートで接続されている必要があります。
なお、サーバーモードのLANスイッチも他のサーバーモードのLANスイッチのVLAN情報を受信して反映します。サーバーモードのLANスイッチは、同じドメイン内に複数存在できます。
構文
vtp modeコマンドの構文は、以下のとおりです。
vtp mode モード
モードは、以下が設定可能です。
モード | 説明 | VLAN設定 | VLAN送信 | VLAN反映 | 透過 |
---|---|---|---|---|---|
server | サーバーモード | ○ | ○ | ○ | - |
client | クライアントモード | × | ○ | ○ | - |
transparent | トランスペアレントモード | ○ | × | × | ○ |
off | オフ | ○ | × | × | × |
表のVLAN設定、VLAN送信、VLAN反映、透過は、それぞれ以下の意味です。
- VLAN設定
- VLAN設定は、VLANの作成、変更、削除ができるかどうかです。
- VLAN送信
- VLAN送信は、LANスイッチで反映したVLAN情報をVTPで送信するかどうかです。クライアントモードでは作成、変更などはできませんが、サーバーモードから受信した情報を他のLANスイッチに送信できます。
- VLAN反映
- VLAN反映は、サーバーモードのLANスイッチで設定されたVLAN情報をVTPを利用して反映するかどうかです。
- 透過
- 透過は、サーバーモードのLANスイッチとクライアントモードのLANスイッチの間に接続した場合、VLAN情報を透過させることができるかです。透過できればクライアント側ではVLAN情報を反映できますが、透過しない場合はクライアント側では反映できません。
サーバーモードとクライアントモードはVTPを利用しており、トランスペアレントモードとオフは利用していない状態です。
トランスペアレントモードとオフの違いは、VTPを透過するかどうかです。
図で示すと、以下のとおりです。
デフォルトは、serverです。自身でVLANを作成、変更、削除できますし、他のサーバーモードからVLAN情報を受信すると、自身に反映します。
設定例
サーバーモードの設定例は、以下のとおりです。
Cisco(config)# vtp mode server Cisco(config)#
サーバーモードでは、別途vtp domainコマンドでドメイン名の設定が必須です。
クライアントモードの設定例は、以下のとおりです。
Cisco(config)# vtp mode client Cisco(config)#
トランスペアレントモードの設定例は、以下のとおりです。
Cisco(config)# vtp mode transparent Cisco(config)#
オフの設定例は、以下のとおりです。
Cisco(config)# vtp mode off Cisco(config)#
設定可能なモード
- グローバルコンフィギュレーションモード
削除
設定を無効にするコマンドは、以下のとおりです。
Cisco(config)# no vtp mode Cisco(config)#
上記により、デフォルトのサーバーモードに戻ります。
関連ページ
- 設定編「VLANの設定」
- CatalystのVTPやVLANの設定について説明しています。