spanning-tree portfast
Catalystのspanning-tree portfastコマンドについて、構文や使い方を設定例交えて説明しています。
説明
スパニングツリープロトコルは、ブロッキングからフォワーディングになるまで一定の時間が必要です。
ツイストペアケーブルを接続した際に、フォワーディングになるまでしばらく通信できないと不便です。また、パソコンを起動した際に、しばらく通信できないとDHCPによるIPアドレス取得が失敗する可能性があります。
spanning-tree portfastコマンドを使うと、PortFastを設定できます。PortFastが有効なインターフェースでは、すぐにフォワーディングとなって通信が可能になります。

PortFastを設定したインターフェースに間違ってLANスイッチが接続されてBPDUを受信した場合、通常のスパニングツリー構成での起動が開始されます。
PortFastは、PVST+、Rapid PVST+、MSTPで利用できます。
構文
spanning-tree portfastコマンドの構文は、以下の通りです。
spanning-tree portfast [ default | disable ]
インターフェースコンフィギュレーションモードでspanning-tree portfastと設定すると、指定したインターフェースでPortFastが有効になります。
グローバルコンフィギュレーションモードでspanning-tree portfast defaultと設定すると、すべてのインターフェースでPortFastが有効になります。この時、インターフェースコンフィギュレーションモードでspanning-tree portfast disableと設定すると、指定したインターフェースだけ無効にすることができます。ほとんどのインターフェースをパソコンやサーバーに接続し、一部のインターフェースだけLANスイッチに接続する場合などに使います。
デフォルトではPortFastの設定はされていません。
設定例
gi0/1のインターフェースでPortFastを有効にする定義は、以下のとおりです。
Cisco(config)# interface gigabitethernet0/1 Cisco(config-if)# spanning-tree portfast Cisco(config-if)#
デフォルトでPortFastを有効にし、gi0/24だけ無効にする定義は以下のとおりです。
Cisco(config)# spanning-tree portfast default Cisco(config)# interface gigabitethernet0/24 Cisco(config-if)# spanning-tree portfast disable Cisco(config-if)#
設定可能なモード
- グローバルコンフィギュレーションモード
- spanning-tree portfast default
- インターフェースコンフィギュレーションモード
- spanning-tree portfast、spanning-tree portfast disable
削除
インターフェースで指定したPortFastの設定を削除するコマンドは、以下のとおりです。
Cisco(config-if)# no spanning-tree portfast Cisco(config-if)#
上記は、設定を削除するコマンドでPortFastを無効にするコマンドではありません。
このため、spanning-tree portfast defaultが設定されていない状態ではPortFastが無効になりますが、spanning-tree portfast defaultが設定されている場合はPortFastが有効になります。
spanning-tree portfast defaultの設定に関わらず無効にする場合は、spanning-tree portfast disableを使います。
グローバルコンフィギュレーションモードで指定したPortFastの設定を無効にするコマンドは、以下のとおりです。
Cisco(config)# no spanning-tree portfast default Cisco(config)#
関連ページ
- 設定編「スパニングツリーの設定」
- CatalystのPVST+、Rapid PVST+、MSTPの設定方法について説明しています。