instance
Catalystのinstanceコマンドについて、構文や使い方を設定例交えて説明しています。
説明
MSTPでは、インスタンスごとにスパニングツリーを構成できます。
このため、インスタンスごとに異なるLANスイッチをルートブリッジにしたり、異なるインターフェースをブロッキングにすることもできます。

instanceコマンドにより、インスタンス番号とそのインスタンスに属するVLANを設定することができます。
構文
instanceコマンドの構文は、以下のとおりです。
instance インスタンス番号 vlan "VLAN-ID"
インスタンス番号で設定できる範囲は、1〜4094です。VLAN-IDは1,5、1-10と記述すると、それぞれ1と5、1〜10と複数指定になります。
インスタンスは1〜4094の数字の中で複数定義できますが、設定できるインスタンスの数は機種によって違い、例えば65個などです。
デフォルトは、インスタンス0にすべてのVLANが割り当てられています。インスタンス0はPVST+と混在する時などに使う特別な番号のため、MSTPを構成する際は通常、1〜4094間のインスタンス番号にVLANを割り当てます。
設定例
instanceコマンドは、MSTコンフィギュレーションモードに移行して使います。設定例は以下のとおりです。
Cisco(config)# spanning-tree mst configuration Cisco(config-mst)# instance 1 vlan 10-20 Cisco(config-mst)#
上記では、VLAN10〜20をインスタンス番号1に割り当てています。instance 2 vlan 21-30など追加設定によりインスタンスを分けることができます。
1つのインスタンスにすべてのVLANを割り当てたい場合は、1-4094などすべてのVLANを指定します。
インスタンスの設定は、最初に充分検討が必要です。
リージョン内のLANスイッチはインスタンスの設定が同じである必要があるため、後からVLANを変更しようとするとリージョン内の全LANスイッチで設定変更が必要になります。
このため、将来割り当てるVLANも計画してインスタンスに設定しておく必要があります。
設定可能なモード
- MSTコンフィギュレーションモード
削除
設定を無効にするコマンドは、以下の通りです。
Cisco(config-mst)# no instance インスタンス番号 [ vlan "VLAN-ID" ] Cisco(config-mst)#
VLAN-IDを指定すると、指定したVLANのみインスタンスから削除されます。VLAN-IDを指定しないと、インスタンス自体が削除されます。
関連ページ
- 設定編「スパニングツリーの設定」
- CatalystのPVST+、Rapid PVST+、MSTPの設定方法について説明しています。