spanning-tree vlan root
Catalystのspanning-tree vlan rootコマンドについて、構文や使い方を設定例交えて説明しています。
説明
Catalystではspanning-tree vlan rootコマンドにより、スパニングツリーの優先度を自動的に上げてルートブリッジになるよう設定出来ます。

ルートブリッジのインターフェースはブロッキングにならず、他のスイッチはルートブリッジからのコストの合計等を基にブロッキングされるインターフェースが決定されます。
又、ルートブリッジが障害等でダウンした場合、次にルートブリッジになるよう設定する事も出来ます。
spanning-tree vlan rootコマンドはPVST+、又はRapid PVST+の時に使い、MSTPではspanning-tree mst rootコマンドを使います。
構文
spanning-tree vlan rootコマンドの構文は以下の通りです。
spanning-tree vlan "VLAN-ID" root { primary | secondary }
VLAN-IDは1,5、1-10と記述すると、それぞれ1と5、1〜10と複数指定になります。
primaryは、周囲のスイッチより自動的にプライオリティの数字を小さくして優先度を上げ、ルートブリッジになります。
secondaryを指定すると自動的にプライオリティがデフォルトより小さくなり、次のルートブリッジ候補になります。
デフォルトはprimaryもsecondaryも設定されていません。
設定例
VLAN1〜4094でルートブリッジにする定義は以下の通りです。
Cisco(config)# spanning-tree vlan 1-4094 root primary Cisco(config)#
VLAN1〜4094でprimaryを設定したスイッチがダウンした時にルートブリッジにしたい時は以下のように定義します。
Cisco(config)# spanning-tree vlan 1-4094 root secondary Cisco(config)#
VLAN10〜20だけルートブリッジにする定義は以下の通りです。
Cisco(config)# spanning-tree vlan 10-20 root primary Cisco(config)#
VLAN10〜20以外は他のスイッチで同様にコマンドを設定する事で、指定したVLANに対してそのスイッチがルートブリッジになります。
PVST+、Rapid PVST+共にVLAN毎にルートブリッジを変える事が出来ます。
利用可能なモード
・グローバルコンフィギュレーションモード
削除
設定を無効にするコマンドは以下の通りです。
Cisco(config)# no spanning-tree vlan "VLAN-ID" root Cisco(config)#
上記により指定したVLANだけデフォルトの優先度に戻ります。