channel-group
Catalystのchannel-groupコマンドについて、構文や使い方を設定例交えて説明しています。
説明
channel-groupコマンドは、イーサチャネルを設定するコマンドです。イーサチャネルは、複数の物理インターフェースを1つのインターフェースのように束ねることができます。
束ねたインターフェースをポートチャネルと言い、LANスイッチ間をポートチャネルで接続することで帯域を増やすことができます。
構文
channle-groupコマンドの構文は、以下のとおりです。
channel-group チャネルグループ番号 mode モード
指定できるチャネルグループ番号は最低で1〜6、多いものでは1〜256(最大128個作成可能)まで使えるものもあります。
モードは、PAgP(Port Aggregation Protocol)とLACP(Link Aggregation Control Protocol)に対応した中から以下が設定可能です。
モード | 意味 |
---|---|
desirable | 自身からイーサチャネルを構成するためネゴシエーションします。 |
auto | 自身からはイーサチャネルを構成しようとせず、相手からネゴシエーションがあった場合のみ構成します。 |
モード | 意味 |
---|---|
active | 自身からイーサチャネルを構成するためネゴシエーションします。 |
passive | 自身からはイーサチャネルを構成しようとせず、相手からネゴシエーションがあった場合のみ構成します。 |
PAgPはCisco独自、LACPは標準化された規格です。このため、PAgPはCatalyst間のみ接続可能ですが、LACPは他社のLANスイッチと接続することもできます。
autoモードとautoモード、またはpassiveモードとpassiveモードを接続した時はイーサチャネルが構成されません。
モードをonにして、必ずイーサチャネルに組み込まれるように設定もできます。
イーサチャネルはサーバーと接続する時も使え、サーバー側ではチーミングやbondingと呼ばれることもあります。サーバー側でLACPをサポートしていることもありますが、サポートしていない場合はonで固定にする必要があります。
チーミング、bondingにはActive/Standbyで動作するモードがあり、このモードでは1つのインターフェースだけ利用するため、LANスイッチ側でイーサチャネルの設定は不要です。
また、LANスイッチがスタックされており、スタックをまたがってイーサチャネルを構成する時はon、またはLACPを使う必要があります。
デフォルトでイーサチャネルは設定されていません。
設定例
モードがonの時のchannel-groupの設定例は、以下のとおりです。
Cisco(config)# interface gigabitethernet0/1 Cisco(config-if)# channel-group 1 mode on Cisco(config-if)# exit Cisco(config)# interface gigabitethernet0/2 Cisco(config-if)# channel-group 1 mode on Cisco(config-if)# exit Cisco(config)#
上記設定により、gi0/1とgi0/2がイーサチャネルとして構成されます。イーサチャネルは同時に8つの物理インターフェースを組み込んでアクティブにさせることができます。
modeをonからdesirable、auto、active、passiveに変更することで、それぞれのモードにしたがって動作します。
イーサチャネルを構成した後は、ポートチャネルに対して物理インターフェースと同様の設定ができます。
Cisco(config)# interface port-channel 1 Cisco(config-if)# switchport access vlan 10 Cisco(config-if)# exit Cisco(config)#
つまり、channel-groupコマンドで論理的なインターフェースであるポートチャネルを作成し、そのポートチャネルに対して物理インターフェースと同様な設定ができるようになります。
interface port-channel 1で指定する番号はポートチャネル番号と言い、channel-groupで指定するチャネルグループ番号と合わせる必要があります。
設定可能なモード
- インターフェースコンフィギュレーションモード
削除
設定を無効にするコマンドは、以下のとおりです。
Cisco(config-if)# no channel-group Cisco(config-if)#
上記により、イーサチャネルに組み込まれなくなります。
また、ポートチャネル自体を削除するコマンドは以下の通りです。
Cisco(config)# no interface port-channel ポートチャネル番号 Cisco(config)#
関連ページ
- 設定編「リンクアグリゲーションの設定」
- Catalystのイーサチャネルの設定について説明しています。イーサチャネルはCisco独自用語で、一般用語ではリンクアグリゲーションと呼ばれています。