storm-control

Catalystのstorm-controlコマンドについて、構文や使い方を設定例交えて説明しています。

説明

フレームの数が急激に増加した場合、ブロードキャストストームが発生している可能性があります。

また、一時的でも膨大な通信が発生すると、他の通信に影響が出る可能性があります。

storm-controlコマンドを使うと、ストーム制御の設定ができます。ストーム制御により、閾値を越える通信が発生した際に一時的に通信を遮断することができます。

ストーム制御の説明

構文

storm-controlコマンドの構文は、以下のとおりです。

storm-control { broadcast | multicast | unicast } level "上限値" [ "下限値" ]

broadcastを指定するとブロードキャスト、multicastを指定するとマルチキャスト、unicastを指定するとユニキャストフレームの制御を行います。

multicastやunicastはCatalyst4500などでは指定できず、マルチキャストを制御する場合は 別にstorm-control broadcast include multicastと設定する必要があります。

上限値は、10.2など指定するとインターフェースの帯域に対するパーセントになります。Catalyst2960や3560、9000シリーズなどではlevel bps 10mなどと指定してビット/秒、level pps 10kなどと指定してパケット/秒でも設定できます。

上限値を超えると通信ができなくなり、上限値を下回ると通信が回復します。

ストーム制御でのトラフィック制御

また、下限値を設定すると、その下限値を下回った時に通信が回復します。通信量が上限値付近で通信断、通信回復を繰り返すのを防ぎたい場合に設定します。

下限値は、一部機種やラインカードで設定できない場合があります。

デフォルトでは、ストーム制御は設定されていません。

設定例

gi0/1でブロードキャストに対するストーム制御を有効にし、上限値を10%とする設定は以下のとおりです。

Cisco(config)# interface gigabitethernet0/1
Cisco(config-if)# storm-control broadcast level 10
Cisco(config-if)#

gi0/1でマルチキャストに対するストーム制御を有効にし、上限値を30%、下限値を15%とする設定は以下のとおりです。

Cisco(config)# interface gigabitethernet0/1
Cisco(config-if)# storm-control multicast level 30 15
Cisco(config-if)#

gi0/1でユニキャストに対するストーム制御を有効にし、上限値を300Mbps、下限値を150Mbpsとする設定は以下のとおりです。

Cisco(config)# interface gigabitethernet0/1
Cisco(config-if)# storm-control unicast level bps 300m 150m
Cisco(config-if)#

このように、bpsやppsを指定した場合はgやm、kなどの単位を利用できます。gは10億、mは100万、kは1,000を示します。

設定可能なモード

  • インターフェースコンフィギュレーションモード

※物理インターフェースやポートチャネルインターフェースで設定可能です。

削除

storm-controlの設定を削除するコマンドは、以下のとおりです。

Cisco(config-if)# no storm-control { broadcast | multicast | unicast } level
Cisco(config-if)#

また、Catalyst4500などでブロードキャストのストーム制御にマルチキャストも含めていた場合、以下で削除可能です。

Cisco(config-if)# no storm-control broadcast include multicast
Cisco(config-if)#

関連ページ

設定編「ストーム制御の設定
Catalystのストーム制御関連の設定について説明しています。storm-controlコマンドだけでなく、上限値になった時の動作や確認方法なども説明しています。