network area
CiscoルータやCatalystのOSPF利用時に使うnetwork areaコマンドについて、構文や使い方を設定例交えて説明しています。
説明
router ospfコマンドでルータコンフィギュレーションモードに移行した後、network areaコマンドを使ってOSPFを利用するインターフェースやエリアを指定出来ます。

IPアドレスがnetwork areaコマンドで指定した範囲に含まれるインターフェースでOSPFが動作します。又、異なるエリアを設定するとABRとして動作します。
OSPFを動作させるためにはIPv4ルーティングが有効になっており、インターフェースにIPアドレス等が設定されている必要があります。
構文
network areaコマンドの構文は以下の通りです。
network IPアドレス ワイルドカードマスク area エリアID
IPアドレスとワイルドカードマスクでOSPFを動作させるインターフェースが決まります。
ワイルドカードマスクは0.0.0.255等と記述出来、サブネットマスクと反対で0の所はIPアドレスそのまま、255の所は0〜255まで全てが範囲という意味です。
例えば、IPアドレス172.16.1.0、ワイルドカードマスク0.0.0.255であれば、172.16.1.0〜172.16.1.255までを示します。ワイルドカードマスクは2進数に直して0の所がIPアドレスそのままという意味のため、0.0.0.127であれば172.16.1.0〜172.16.1.127までが範囲になります。
この範囲のIPアドレスを設定したインターフェースでOSPFが動作します。

エリアIDは0〜4294967295の範囲かIPアドレス形式で指定します。0、又は0.0.0.0を指定するとバックボーンになります。
デフォルトではOSPFが有効なインターフェースは設定されていません。
設定例
network areaの設定例は以下の通りです。
Cisco(config)# router ospf 1 Cisco(config-router)# network 172.16.0.0 0.0.255.255 area 0 Cisco(config-router)#
上記は172.16.0.0のネットワークアドレスに含まれるIPアドレスを設定したインターフェース全てがバックボーンエリアに属するようになります。
エリアを分ける時の設定例は以下の通りです。
Cisco(config)# router ospf 1 Cisco(config-router)# network 172.16.1.0 0.0.0.255 area 0 Cisco(config-router)# network 172.16.2.0 0.0.0.255 area 1 Cisco(config-router)#
上記は172.16.1.1等のIPアドレスを設定したインターフェースがバックボーンエリア、172.16.2.1等のIPアドレスを設定したインターフェースがエリア1に属するようになります。この設定によってABRとして動作します。
利用可能なモード
・ルータコンフィギュレーションモード
削除
設定を削除するコマンドは以下の通りです。
Cisco(config-router)# no network IPアドレス ワイルドカードマスク area エリアID Cisco(config-router)#
指定したネットワークに属するIPアドレスを持つインターフェースだけOSPFが停止します。