スタティックルーティングの設定 - Catalyst

Catalystでスタティックルーティングを設定するコマンドの使い方について説明したページです。スタティックルーティングの動作や意味については「ルーティング」をご参照下さい。

スタティックルーティングの基本設定

 以下の図を例にパソコンとサーバーで通信出来るようにするスタティックルーティングの設定を説明します。

スタティックルーティングの設定1

 スイッチAにスタティックルーティングの設定をする前にVLANにアドレスを設定したり、インターフェースにVLANを割り当てたりする必要があります。

【IPアドレスの設定とVLANのインターフェースへの割り当て】
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface vlan 10
Switch(config-if)# ip address 172.16.1.1 255.255.255.0
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# exit
Switch(config)# interface vlan 20
Switch(config-if)# ip address 172.16.2.1 255.255.255.0
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# exit
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# switchport
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport access vlan 10
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# exit
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config-if)# switchport
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport access vlan 20
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# exit
Switch(config)# ip routing

 赤字部分以外は既に「初期設定」で説明したIPアドレスの設定や「VLANの設定」で説明したVLANの設定です。

 赤字のip routingはルーティングを有効にする設定のため、上記設定によりVLAN間でルーティングが出来るようになります。

スタティックルーティングの設定2

 スタティックルーティングを行うためには以下の設定をします。

【スタティックルーティングの設定】
Switch# configure terminal
Switch(config)# ip route 172.16.3.0 255.255.255.0 172.16.2.2

 宛先のアドレスを172.16.3.0、サブネットマスクを255.255.255.0と設定する事で、172.16.3.0のサブネットに対するゲートウェイは172.16.2.2と定義しています。

スタティックルーティングの設定3

 スイッチBでもスイッチAと同様ですが、VLAN10と20ではなくVLAN20と30の設定を行い、ip route 172.16.1.0 255.255.255.0 172.16.2.1とスタティックルートの設定をします。

スタティックルーティングの設定4

 スイッチAとBに設定を行う事でスタティックルーティングを利用してVLAN間ルーティングによりVLAN10と30の間で通信が可能となり、パソコンとサーバー間の通信が出来るようになります。

スタティックルーティングの設定5

 デフォルトルートの設定はVLAN間ルーティングが設定されている前提とすると、以下のように行います。

【デフォルトルートの設定】
Switch(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 172.16.4.1

 サブネットマスクの部分が0.0.0.0になっています。「サブネットとCIDRの計算方法」で示した通り、IPアドレスとサブネットマスクのAND計算をすると0.0.0.0となり、デフォルトルートを示す事になります。

スタティックルーティングの設定6

ルーティングテーブルの確認

 ルーティングテーブルはshow ip routeコマンドで確認出来ます。

【ルーティングテーブルの確認】
Switch# show ip route
Codes:L - local, C - connected, S - static, R - RIP, M - mobile, B - BGP
      D - EIGRP, EX - EIGRP external, O - OSPF, IA - OSPF inter area
      N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF external type 2
      E1 -OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2
      i IS-IS, su - IS-IS summary, L1 - IS-IS level-1, L2 - IS-IS level-2
      ia - IS-IS inter area, * - candidate default, U - per-user static route
      o - ODR, P - periodic downloaded static route, H -NHRP, l - LISP
      + - replicated route, % - next hop override

      Gateway of last resort is not set

    172.16.0.0 is variably subnetted, 3 subnets, 2 masks
C       172.16.1.0/24 is directly connected, Vlan10
L       172.16.1.1/32 is directly connected, Vlan10
C       172.16.2.0/24 is directly connected, Vlan20
L       172.16.2.1/32 is directly connected, Vlan20
S       172.16.3.0/24 [1/0] via 192.168.2.2
S*      0.0.0.0/0 [1/0] via 172.16.4.1

 上記で赤字部分のSがスタティックルートで設定した経路を示しています。スタティックルートを設定した後は、このSの経路が表示されている事を確認します。又、*が付いている経路はデフォルトルートを示します。

 因みに、Cは自身が接続されているサブネット、Lは自身に設定されたIPアドレスを示します。

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