ポートミラーリングの設定 - Catalyst

Catalystでポートミラーリングの設定を行う方法について説明したページです。Catalystでは物理インターフェースやポートチャネル、VLANをミラー元にしてポートミラーリングが出来ます。

ポートミラーリングの動作や意味については「ポートミラーリング」をご参照下さい。

SPAN

 Catalystではミラー元、及びミラー先のインターフェースを設定する事でポートミラーリングが動作します。

CatalystのSPAN概要

 ミラー元がトランクポートであった場合、デフォルトではフレームのタグは取り除かれてミラー先のインターフェースにコピーされます。

 又、スタックを跨いだポートミラーリングも可能です。

 Catalystではスイッチやスタック内でのポートミラーリングをSPANと呼びます。

インターフェースのポートミラーリング

 gi1/0/1のインターフェースをgi1/0/22にポートミラーリングするには以下のように設定します。

【インターフェースをポートミラーリングする場合の設定】
Switch# configure terminal
Switch(config)# monitor session 1 source interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config)# monitor session 1 destination interface gigabitethernet1/0/22

 sessionの後の数字が同じであればsourceで指定したインターフェースからdestinationで指定したインターフェースにポートミラーリングされます。このため、上記設定によりgi1/0/1で送受信される通信がgi1/0/22にポートミラーリングされます。

 受信するフレームだけをポートミラーリングしたい場合は以下のようにします。

【受信するフレームだけのポートミラーリング設定】
Switch# configure terminal
Switch(config)# monitor session 1 source interface gigabitethernet1/0/1 rx
Switch(config)# monitor session 1 destination interface gigabitethernet1/0/22

 rx部分をtxに変える事で送信するフレームだけをポートミラーリングする事も出来ます。

 デフォルトはbothで送受信両方をポートミラーリングします。

 ミラー元はイーサチャネルのインターフェースを指定する事も可能です。

【ミラー元をイーサチャネルとした設定】
Switch# configure terminal
Switch(config)# monitor session 1 source interface port-channel 1
Switch(config)# monitor session 1 destination interface gigabitethernet1/0/22

 設定はコマンドの最初にnoを付ける事で削除可能です。

トランクポートでのVLANフィルタリング

 トランクポートをミラー元に指定すると不要なVLANの通信がコピーされる可能性があります。

 この場合、コピーするVLANを指定する事が出来ます。

【VLANフィルタリングの設定】
Switch# configure terminal
Switch(config)# monitor session 1 filter vlan 10

 インターフェースに対してポートミラーリングの設定をした後、上記コマンドを設定するとVLAN 10だけをコピー出来ます。

トランクポートをポートミラーリングする時のVLANフィルタリング

VLANを指定したポートミラーリング

 例えばVLAN 10をgi1/0/22にポートミラーリングする場合、以下のように設定します。

【VLANを指定したポートミラーリング設定】
Switch# configure terminal
Switch(config)# monitor session 1 source vlan 10
Switch(config)# monitor session 1 destination interface gigabitethernet1/0/22

 上記の設定によりVLAN10を割り当てている全物理インターフェースの通信がgi1/0/22にコピーされます。

VLANをミラー元に指定したポートミラーリング

複数のミラー元や組み合わせの設定

 セッション番号を変える事で複数のポートミラーリングを設定出来ます。

【複数組み合わせのポートミラーリング設定】
Switch# configure terminal
Switch(config)# monitor session 1 source interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config)# monitor session 1 destination interface gigabitethernet1/0/21
Switch(config)# monitor session 2 source interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config)# monitor session 2 destination interface gigabitethernet1/0/22

 上記ではgi1/0/1がgi1/0/21へ1/0/2が1/0/22へポートミラーリングされます。

 又、複数インターフェースを送信元にして1つのインターフェースにポートミラーリングする事も可能です。

【複数の送信元を指定したポートミラーリング設定】
Switch# configure terminal
Switch(config)# monitor session 1 source interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config)# monitor session 1 source interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config)# monitor session 1 destination interface gigabitethernet1/0/22

ポートミラーリング時の留意点

 ポートミラーリングの基本的な使い方は1つのインターフェースをデフォルトのbothで送受信両方をポートミラーリングする事です。複数のインターフェースをミラー元にする場合は留意が必要です。

 設定によっては入力時と出力時に2重にフレームがコピーされるため、WireShark等でキャプチャすると実際は1つのフレームでも2つのフレームがカウントされる場合があります。

SPAN時の重複フレームしたフレームのコピー

 このため、ミラー元をVLANにしてVLAN内の通信でデフォルトのbothにより送受信両方をポートミラーリングすると2重にカウントされます。

 又、複数インターフェースをミラー元に指定して通信量が多い場合、ミラー先のインターフェースに送れない事があります。特にVLANを送信元に指定したり、ポートチャネルを指定すると複数インターフェースが一度にミラー元になる可能性があるため留意が必要です。

 尚、ミラー先に指定したインターフェースは通常の通信が出来なくなります。インターフェースが余っている場合はミラー用インターフェースを決めて運用するか、そうでない場合は設定の消し忘れに注意する必要があります。インターフェースを使えるように設定してもSPANの消し忘れに気付かず、通信出来るまで時間がかかる事があるためです。

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