ルーティング

道しるべであるルーターは、どのようにしてどちらに行けばよいか判断しているのでしょうか?

本項では、ルーティングについて説明します。

ダイナミックルーティング

何故ルーターは、自分が接続されたサーバーだけでなく、遠くのルーターに接続されたサーバーへたどり着くためには、どちらにいけば良いかわかっているのでしょうか?

実は簡単な話で、ルーターどうしで教えあっているのです。

以下のように、サーバーが接続されたルーターは最初に①で隣のルーターに教えます。この時の情報には自分のIPアドレスもあり、教えて貰ったルーターはサーバーに向かうためにはどのIPアドレスに送ればよいかを憶えます。次に、教えて貰ったルーターは②でさらに隣のルーターに教えます。このように、隣へ隣へと教えて行くことで、巨大なネットワークでも遠く離れたサーバーへはどちらにいけばいいのかわかるようになるのです。

ダイナミックルーティングは隣のルーター間で教え合う。

このように、ルーター間で教えあう方法をダイナミックルーティングと呼びます。

スタティックルーティング

先ほどの図で①と②は上、左と矢印がありますが、③が上にしかないのに気づいた人もいると思います。結論からいいますと、これは不要です。

一番左の小さいルーターは、パソコンから通信が来ると右のルーターに渡すしかありません。このため、IPアドレスの設定で説明したデフォルトゲートウェイの設定で右のルーターのIPアドレスを設定していれば、必ず右のルーターを次の道順として示してくれるのです。

小規模のネットワークではダイナミックルーティングではなく、どちらにいけばよいかを1つ1つのルーターに設定する方法もあります。Aは上、Bは右といった具合に設定します。これを、スタティックルーティングと呼びます。

スタティックルーティングは、ダイナミックルーティングのようなやりとりが不要なのでわかり易いですが、1つでも道順の追加があるとすべてのルーターに設定しなければいけないため、大きなネットワークには向きません。

メトリック

実際のネットワークは少し複雑な場合が多く、以下のようにパソコンからサーバーへ到達する道順が2つ以上ある場合もあります。

ルーティングでは、メトリックが小さい方を進む。

条件にもよりますが、すべての線が同じ速度で接続されていた場合、必ず下の道順を通るようにルーターは道を示します。

しくみですが、ルーター間で教えあう時に、自分を経由するとどの位でサーバーまで届くといった内容を隣のルーターに教えます。これを、メトリックと言います。

メトリックを数える一番簡単な方法は、ルーター間で教えあう時に数字を1つプラスする方法です。ルーターを経由するごとに数字をプラスしていけば、隣のルーターから貰った情報はルーターを何個通る必要があるとわかります。

経由したルーターの数をメトリックにする例

つまり、上の例では最終的にはルーターを4つ経由する道順より2つ経由する道順の方が近道と判断するのです。

遠い経路も無駄ではない

下の図で真ん中下のルーターがダウンしたとします。

ルーター間で教えあうと説明しましたが、これは絶えず行っていて、一定の時間情報が来ないとこの経路は無効になったのだと判断します。従って、最短経路は諦め、上の経路を通るようになります。

主経路が使えなくなると、バックアップの経路に切り替わる。

関連ページ

応用編「RIP
ダイナミックルーティングのRIP(Routing Information Protocol)について説明しています。

応用編「OSPF
ダイナミックルーティングのOSPF(Open Shortest Path First)について説明しています。

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