IPv6アドレスの設定

IPv6アドレスの概要や、設定方法などについて説明しています。

IPv6アドレス

IPアドレスは192.168.1.1などと記述されますが、これはバージョン4で使われるアドレスです。IPv4と言われます。

IPv4は約43億個が使えますが、ネットワークを使う機器が膨大になってきたため不足してきました。そこで考えられたのがバージョン6で、IPv6と言われます。

IPv6アドレスは、2001:0db8:1111:ffff:1111:ffff:1111:ffffのように記述されます。

IPv4は0〜255の数字をドット(.)で区切って表記していましたが、IPv6は16進数をコロン(:)で区切って表記します。また、IPv6は約340澗(かん)という膨大な数が使えます。澗は単位で、0が36個付きます。

【IPv4とIPv6アドレスの違い】
項目 IPv4 IPv6
使える数 約43億 約340澗
進数 10進数 16進数
区切り ドット「.」 コロン「:」

IPv6アドレスは、世界中の人が1人何兆個使ったとしても使いきれません。

IPv6アドレスの設定方法

IPv6アドレスの設定方法は2とおりあります。自動設定と利用者が設定する方法です。

例えばWindows10やWindows11では、以下の手順で設定画面を表示出来ます。

  1. 「スタートボタン」を右クリックして「ネットワーク接続」を選択
  2. 「ネットワークの詳細設定」下にある「アダプターのオプションを変更する」を選択(Windows11では「ネットワークの詳細設定」選択後、「ネットワーク アダプター オプションの詳細」を選択)
  3. 「ローカルエリア接続」(有線の場合)や「Wi-Fi」(無線の場合)から設定したいものをダブルクリック
  4. 表示された画面で「プロパティ」をクリック
  5. 「インターネットプロトコルバーション6(TCP/IPv6)」を選択した状態で「プロパティ」をクリック

以下の画面が表示されるため、設定を行います。

インターネットプロトコル バージョン6(TCP/IPv6)のプロパティ画面

上記はデフォルトの設定ですが、パソコンの電源を入れた時に自動で通信してIPv6アドレスなど必要なものが設定されるようになっています。

IPv6アドレスは非常に長いことと、自動配布のしくみが整っていることから、家庭内で利用する時に自分で設定することは通常ありません。

また、IPv6での通信は、IPv4での通信方法とほとんど変わりません。ARP(Address Resolution Protocol)のようなしくみでMACアドレスを確認し、DNS(Domain Name System)で通信相手のIPv6アドレスを問い合わせ、通信を行います。

サブネットプレフィックス

IPv6アドレスは、サブネットプレフィックスとインターフェースIDから構成されます。サブネットプレフィックスは、IPv4のサブネットと同じです。サブネットプレフィックスを見て、ルーティングが行われます。

【IPv6アドレスの構成】
サブネットプレフィックス インターフェースID
64ビット 64ビット
2001:0db8:1111:ffff 1111:ffff:1111:ffff

通常、サブネットプレフィックスの長さは64ビットです。サブネットプレフィックスの長さが、IPv4のサブネットマスクに相当します。

設定例

自分で設定する時の設定例は、以下の通りです。

【IPv6プロパティ設定例】
IPv6アドレス 2001:0db8:1111:ffff:1111:ffff:1111:ffff
サブネットプレフィックスの長さ 64
デフォルトゲートウェイ 2001:0db8:1111:ffff:1111:ffff:1111:bbbb
優先DNSサーバー 2001:0db8:1111:ffff:1111:ffff:1111:bbbb
代替DNSサーバー 2001:0db8:1111:ffff:1111:ffff:1111:cccc

デフォルトゲートウェイは、ルーターのアドレスです。優先DNSサーバーは、DNSの問い合わせ先です。会社などで設定する場合、通常は設定値が指定されるため、そのとおりに入力が必要です。

なお、代替DNSサーバーは、優先DNSサーバーと通信できない時に使われるため、必須ではありません。

設定の確認

Windows系ではコマンドプロンプトでipconfig /allと入力すると、IPv6アドレスが確認できます。

【ipconfig /all実行例】
C:¥>ipconfig /all

Windows IP 構成

   ホスト名 . . . . . . . . . . . . : PC
   プライマリ DNS サフィックス . . . . . . . :
   ノード タイプ . . . . . . . . . . . . : ハイブリッド
   IP ルーティング有効 . . . . . . . . : いいえ
   WINS プロキシ有効 . . . . . . . . : いいえ

イーサネット アダプター ローカル エリア接続:

   接続固有の DNS サフィックス . . . :
   説明. . . . . . . . . . . . . . . : Eternet
   物理アドレス. . . . . . . . . . . : 11-FF-11-FF-11-FF
   DHCP 有効 . . . . . . . . . . . . : はい
   自動構成有効. . . . . . . . . . . : はい
   IPv6 アドレス . . . . . . . . . . : 2001:db8:1111:ffff:1111:ffff:1111:ffff(優先)
   一時 IPv6 アドレス. . . . . . . . : 2001:db8:1111:ffff:2222:ffff:2222:ffff(優先)
   リンクローカル IPv6 アドレス. . . : fe80::1111:ffff:1111:fffff(優先)
   IPv4 アドレス . . . . . . . . . . : 192.168.1.2(優先)
   サブネット マスク . . . . . . . . : 255.255.255.0
   リース取得. . . . . . . . . . . . : 20xx年x月x日 x:xx:xx
   リースの有効期限. . . . . . . . . : 20xx年x月x日 x:xx:xx
   デフォルト ゲートウェイ . . . . . : fe80::1111:ffff:1111:bbbb
                                       192.168.1.1
   DHCP サーバー . . . . . . . . . . : 192.168.1.1
   DHCPv6 IAID . . . . . . . . . . . : xxxxxxxxx
   DHCPv6 クライアント DUID. . . . . : xx-xx-xx-xx-xx-xx-xx-xx-xx-xx-xx-xx-xx-xx
   DNS サーバー. . . . . . . . . . . : 2001:db8:1111:ffff:1111:ffff:1111:bbbb
                                       192.168.1.1
   NetBIOS over TCP/IP . . . . . . . : 無効

赤字が自動設定された、もしくは自分で設定したIPv6アドレスです。0db8がdb8と3桁で表示されていますが、コロン(:)で囲まれた先頭の0は省略されます。

自動設定の場合、緑字の一時IPv6アドレスも表示されます。一時IPv6アドレスは、一定時間ごとにインターフェースIDが変わります。一定時間ごとに変わると相手に特定されにくいため、発信元となる場合はこちらのアドレスが使われます。

サーバーのように相手から通信が来る場合、アドレスが変わると通信できないため、赤字のIPv6アドレスが使われます。