Macアドレス
住所を示すのはIPアドレスですが、もう1つアドレスがあります。本項ではMacアドレスについて説明します。
Macアドレスは隣との通信で使われる
Macアドレスは例えば「11-FF-11-FF-11-FF」と表記されます。1桁1桁が16進数のため、とんでもない数のアドレスを表記出来ます。IPアドレスは手動で設定したり自動で設定されますが、Macアドレスは装置に最初から割り当てられています。
「配達人が運ぶ」では以下の情報をセットにして通信していると書きました。
データ | ポート番号(サービス) | IPアドレス |
---|---|---|
get(Webの内容を下さい) | 80(Web) | 192.168.1.1 |
上記のIPアドレスは通信相手であるサーバーのアドレスであり、手紙でいう宛先の住所です。これに対し、Macアドレスは隣の装置と通信するために利用されます。

つまり、隣の装置のMacアドレスを含めて以下の情報がセットで送られる事により、隣の装置は自分が受け取る情報だと判断します。
データ | ポート番号 | IPアドレス | Macアドレス |
---|---|---|---|
get(Web内容を下さい) | 80(Web) | 192.168.1.1 | 11-FF-11-FF-11-FF |
実際の通信では、例えばWebサーバーと通信すると、Webサーバーからデーターを受信してパソコンに表示するというようにサーバーからの応答があります。

サーバーから応答するためにはパソコンのIPアドレスが分かっている必要があるため、実際には以下の情報をセットにして送っています。

つまり、送信先の情報だけでなく応答のために送信元の情報もセットにして送っています。
このような情報のセットをフレームと言います。
フレームといっても特別な事ではなく、今まで述べてきたように単に豆電球がチカチカしているビットの羅列で、その一塊をフレームと決めているのです。詳細は応用編の「フレーム」をご参照下さい。
ルーターを通る度に宛先のMacアドレスは変わる
相手先Macアドレスは隣への宛先なので、フレームはルーターを通る度に変わります。

つまりルーターAまでは以下のフレームになります。(送信元は省略)
データ | ポート番号 | IPアドレス | Macアドレス |
---|---|---|---|
get(Webの内容を下さい) | 80(Web) | 192.168.1.1 | ルーターAのMacアドレス |
ルーターBまでは以下のフレームに変わります。
データ | ポート番号 | IPアドレス | Macアドレス |
---|---|---|---|
get(Webの内容を下さい) | 80(Web) | 192.168.1.1 | ルーターBのMacアドレス |
このようにルーターを越える度にフレームは書き換えられます。受け取った装置はMacアドレスを見て自分が受け取る情報だと判断しますが、宛先IPアドレスを見て自分が最終目的なのか、更に遠くに送る必要があるのかを判断します。
又、送信元のMacアドレスも同様にルーターを越える度にそのルーターのMacアドレスに変わります。
Macアドレスの確認
Windows系ではコマンドプロンプトでipconfig /allと入力すると、Macアドレスを確認出来ます。
コマンドプロンプト |
---|
C:\>ipconfig /all Windows IP 構成 ホスト名 . . . . . . . . . . . . : PC プライマリ DNS サフィックス . . . . . . . : ノード タイプ . . . . . . . . . . . . : ハイブリッド IP ルーティング有効 . . . . . . . . : いいえ WINS プロキシ有効 . . . . . . . . : いいえ イーサネット アダプター ローカル エリア接続: 接続固有の DNS サフィックス . . . : 説明. . . . . . . . . . . . . . . : Eternet 物理アドレス. . . . . . . . . . . : 11-FF-11-FF-11-FF DHCP 有効 . . . . . . . . . . . . : はい 自動構成有効. . . . . . . . . . . : はい IPv4 アドレス . . . . . . . . . . : 192.168.1.2(優先) サブネット マスク . . . . . . . . : 255.255.255.0 リース取得. . . . . . . . . . . . : 20xx年x月x日 x:xx:xx リースの有効期限. . . . . . . . . : 20xx年x月x日 x:xx:xx デフォルト ゲートウェイ . . . . . : 192.168.1.1 DHCP サーバー . . . . . . . . . . : 192.168.1.1 DNS サーバー. . . . . . . . . . . : 192.168.1.1 NetBIOS over TCP/IP . . . . . . . : 無効 |
- 応用編「フレーム」