offset-list

CiscoルータやCatalystのoffset-listコマンドについて、構文や使い方を設定例交えて説明しています。

説明

 offset-listコマンドでRIP送受信時のホップ数を加算する事が出来ます。

 ホップ数を加算する事で経路の優先度を低くし、他の経路を優先させる事が出来ます。

offset-listコマンドの説明

 優先させた経路が障害等で無効になった場合、ホップ数が大きい方の経路が有効になります。

構文

 offset-listコマンドの構文は以下の通りです。

offset-list アクセスリスト番号 { in | out } 追加ホップ数 [ インターフェース ]

 アクセスリスト番号はaccess-listコマンドで設定した番号です。アクセスリストで全ての経路を指定する事も、一部の経路を指定する事も出来ます。

 inは受信時、outは送信時を示します。RIPのデフォルトでは受信時にホップ数を1追加してルーティングテーブルに反映させます。offset-listでinを指定すると更に追加ホップ数で指定した数が加算されます。又、デフォルトでは送信時にホップ数は加算されませんが、offset-listでoutを指定する事で追加ホップ数で指定した数が加算されます。

 インターフェースはgi0/1やVLAN等です。指定したインターフェースだけホップ数の加算が反映されます。

 RIPのホップ数の最大値は15で、ルーターを介する度にデフォルトでは1ずつ増えます。このため、余り大きな値を加算しないように留意が必要です。

設定例

 受信するRIPの経路全てに対してホップ数を1加算する設定は以下の通りです。

Cisco(config)# access-list 1 permit any
Cisco(config)# router rip
Cisco(config-router)# offset-list 1 in 1
Cisco(config-router)#

 gi0/1に送信するRIPの経路全てにホップ数を1加算する設定は以下の通りです。

Cisco(config)# access-list 1 permit any
Cisco(config)# router rip
Cisco(config-router)# offset-list 1 out 1 gigabitethernet0/1
Cisco(config-router)#

 CatalystでVLAN間ルーティングしている場合、物理インターフェースではなくvlan 10等と指定する必要があります。

 経路172.16.2.0を受信した時にホップ数を1加算する設定は以下の通りです。

Cisco(config)# access-list 1 permit 172.16.2.0 0.0.0.255
Cisco(config)# router rip
Cisco(config-router)# offset-list 1 in 1
Cisco(config-router)#

利用可能なモード

・ルータコンフィギュレーションモード

削除

 設定を削除するコマンドは以下の通りです。

Cisco(config-router)# no offset-list アクセスリスト番号 { in | out } 追加ホップ数 [ インターフェース ]
Cisco(config-router)#

関連ページ

・設定編「RIPの設定

 CatalystでRIPを有効にする設定やホップ数の調整、経路のフィルタリングや再配布、アドレス集約等の設定について説明しています。

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