mac address-table move update

Catalystのmac address-table move updateコマンドについて、構文や使い方を設定例交えて説明しています。

説明

 Flex Linkで切り替えが発生した場合、インターフェース自体は一瞬で切り替え可能ですが、MACアドレステーブルにより通信自体の再開に時間がかかる可能性があります。

 例えば以下の図でスイッチAからスイッチBとCを接続したインターフェースをFlex Linkに定義し、スイッチC側がBackupとします。

MACアドレステーブル移動更新機能の説明1

 この時、スイッチBと接続したインターフェースがダウンするとFlex LinkによりスイッチC側がUPしますが、スイッチDにはインターフェースがダウンした事が分かりません。このため、スイッチDは暫くはMACアドレステーブルにより、パソコン宛てのフレームはスイッチBが接続されたインターフェースに送信します。スイッチA〜B間はダウンしているため、このMACアドレステーブルが有効な間は通信が出来ません。

MACアドレステーブル移動更新機能の説明2

 MACアドレステーブル移動更新機能を利用するとMACアドレステーブルを書き換えてスイッチC経由で通信を素早く回復させる事が出来ます。

 スイッチDはスイッチC側からMACアドレステーブル移動更新のメッセージを受信するとMACアドレステーブルの内、パソコンのMACアドレスの送信先をスイッチC側のインターフェースに書き換えます。

 mac address-table move updateコマンドにより、MACアドレステーブル移動更新機能を有効に出来ます。

構文

 mac address-table move updateコマンドの構文は以下の通りです。

mac address-table move update { transmit | receive }

 transmitが送信、receiveが受信です。Flex Linkを設定したスイッチでtransmitの設定を行い、切り替わりが発生した事を知ってMACアドレステーブルを書き換えるスイッチでreceiveの設定を行います。

 デフォルトではMACアドレステーブル移動更新は無効です。

設定例

 MACアドレステーブル移動更新のメッセージを送信する設定は以下の通りです。

Cisco(config)# mac address-table move update transmit
Cisco(config)#

 MACアドレステーブル移動更新のメッセージを受信する設定は以下の通りです。

Cisco(config)# mac address-table move update receive
Cisco(config)#

利用可能なモード

・グローバルコンフィギュレーションモード

削除

 MACアドレステーブル移動更新の設定を削除するコマンドは以下の通りです。

Cisco(config)# no mac address-table move update { transmit | receive }
Cisco(config)#

関連ページ

・設定編「Flex Linkの設定

 CatalystのFlex Link関連について説明しています。Macアドレステーブル移動更新機能の設定だけでなく、switchport backup interfaceコマンドによるFlex Link設定や確認方法についても説明しています。

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