copy

CiscoルータやCatalystのcopyコマンドについて、構文や使い方を利用例交えて説明しています。

説明

copyコマンドはファイルをコピーするコマンドですが、running-configをstartup-configに保存する、startup-configのバックアップを行う、バックアップからリストアするといった使い方ができます。

copyコマンドの説明

保存先の例は、以下のとおりです。

【running-config、startup-config、バックアップの違い】
区分 保存場所 保存タイミング 再起動時
running-config メモリ 設定変更時に動的保存 設定が消える
startup-config NVRAM コマンドにより保存 設定は消えない
バックアップ サーバーなど コマンドでバックアップ -

他にも、FlashメモリやNVRAMなどのファイルシステムを指定してファイルをコピーできます。

構文

copyコマンドの構文は、以下のとおりです。

copy コピー元 コピー先

コピー元とコピー先の指定例は、以下のとおりです。

【コピー元とコピー先の指定例】
指定 オプション 説明
system:running-config - メモリ上のrunning-config
nvram:startup-config - NVRAM上のstartup-config
tftp: //IPアドレス/ディレクトリ/ファイル名 サーバとTFTP転送
ftp: //ユーザー名:パスワード@IPアドレス/ディレクトリ/ファイル名 サーバとFTP転送
rcp: //ユーザー名@IPアドレス/ディレクトリ/ファイル名 サーバとRCP転送
flash: /ディレクトリ/ファイル名 Flashファイルシステム
nvram: /ディレクトリ/ファイル名 NVRAMファイルシステム

ディレクトリがない場合は、省略することもできます。

TFTP、FTP、RCPでオプションを省略すると、IPアドレスなどを対話式で入力します。また、サーバー側で各サービスが動作している必要があります。

どのようなファイルシステムが使えるかは、show file systemsコマンドで確認できます。

running-config保存例

copyコマンドの利用例は、以下の通りです。

Cisco# copy running-config startup-config

running-configやstartup-configは、上記のようにsystem:、nvram:を省略できる場合があります。

上記により現在動作中のコンフィグが保存され、CiscoルータやCatalystを再起動した時も設定が消えることがなくなります。

省略形の例は、copy run startです。

バックアップ例

TFTPを利用したバックアップ例は、以下のとおりです。

Cisco# copy nvram:startup-config tftp://172.16.1.1/test/Cisco.txt

上記により、startup-configがIPアドレス172.16.1.1のサーバー上のtestディレクトリ配下Cisco.txtファイルに保存されます。

FTPを利用したバックアップ例は、以下のとおりです。

Cisco# copy nvram:startup-config ftp://test:pass@172.16.1.1/test/Cisco.txt

上記により、startup-configがIPアドレス172.16.1.1のサーバー上のtestディレクトリ配下Cisco.txtファイルに保存されます。ユーザー名とパスワードはtestとpassにしていますが、サーバーで使えるユーザー名とパスワードを入力する必要があります。

RCPを利用したバックアップ例は、以下のとおりです。

Cisco# copy nvram:startup-config rcp://test@172.16.1.1/test/Cisco.txt

上記により、startup-configがIPアドレス172.16.1.1のサーバー上のtestディレクトリ配下Cisco.txtファイルに保存されます。ユーザー名はtestにしていますが、サーバーで使えるユーザー名を入力する必要があります。

リストア例

TFTPを利用したリストア例は、以下のとおりです。

Cisco# copy tftp://172.16.1.1/test/Cisco.txt nvram:startup-config

上記により、IPアドレス172.16.1.1のサーバー上のtestディレクトリ配下Cisco.txtファイルがstartup-configにリストアされます。

FTPを利用したリストア例は、以下のとおりです。

Cisco# copy ftp://test:pass@172.16.1.1/test/Cisco.txt nvram:startup-config

上記により、IPアドレス172.16.1.1のサーバー上のtestディレクトリ配下Cisco.txtファイルがstartup-configにリストアされます。ユーザー名とパスワードはtestとpassにしていますが、サーバーで使えるユーザー名とパスワードを入力する必要があります。

RCPを利用したリストア例は、以下のとおりです。

Cisco# copy rcp://test@172.16.1.1/test/Cisco.txt nvram:startup-config

上記により、IPアドレス172.16.1.1のサーバー上のtestディレクトリ配下Cisco.txtファイルがstartup-configにリストアされます。ユーザー名はtestにしていますが、サーバーで使えるユーザー名を入力する必要があります。

startup-configにリストアした後は、再起動して設定を反映させる必要があります。

startup-config一時退避

startup-configをflashに、他のファイル名でコピーする例は以下のとおりです。

Cisco# copy nvram:startup-config flash:backup-config

backup-configというファイル名でコピーしていますが、試験などで設定を大きく変える際に一時退避したい時に使えます。

試験が終わった後はstartup-configを削除し、backup-configをstartup-configにコピー、装置を再起動すると元に戻ります。

利用可能なモード

  • 特権EXECモード

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