ワイヤースピード

通信速度は規格で100Base-TXなど決まっていますが、実際に規格通りに使えるかは転送能力によって変わってきます。

本項では、ワイヤースピードについて説明します。

装置のインターフェースに対する通信速度

LANスイッチはフレームを転送しますが、1秒間に転送できるフレームの数をpps(packet per second)と言います。例えば、10ppsであれば1秒間に10個のフレームを転送できます。

64byteのフレームを10ppsで転送した場合、合計5,120bps(=64byte×8bit×10個)になります。このため、100Base-TXで接続しても10ppsしか流せない場合は使える帯域はとても小さくなります。

1500byteのフレームを10ppsで転送した場合、合計120,000bpsになります。同じppsで送信しても、フレームのサイズが大きければ1秒間で送れるデータは多くなります。

同じ10ppsであれば、64byteのフレームより1500byteのフレームの方が1秒間で送れるデータ量が多い

帯域を埋め尽くす

100Mbpsの帯域を使い切るには、たくさんのフレームを1秒間に転送できる必要があります。また、帯域を埋め尽くすには1500byteのフレームより64byteのフレームの方がたくさんのフレームが必要です。

1500byteより64byteのフレームの方が、帯域を埋め尽くすのに必要なフレーム数が多い

このため、64byteのフレームを流した時に100Mbpsが出る転送能力があれば、1500byteのフレームでも100Mbpsの帯域が使えることになります。このように、どのような大きさのフレームでも規格どおりの帯域を使える転送能力をワイヤースピードと言います。

各帯域でのワイヤースピード

フレームの最少値は64byteです。これに、プリアンブルの8byteとフレーム間の12byteを加えて、84byte分(64byte+8byte+12byte)が1セットと考えられます。各帯域で84byteがすべて埋め尽くされる数のフレームを転送する能力があれば、ワイヤースピードになります。

84byteをセットとして、帯域を埋め尽くすほど転送できる能力があればワイヤースピードと言う

10Mbpsの場合、10,000,000bit(10Mbps) ÷ 672bit(84byte) = 14880.952・・・ 繰り下げで14,880ppsがワイヤースピードと言えます。

同様の式で、100Mbpsの場合は148,809pps、1Gbpsの場合は1,488,095ppsあればワイヤースピードと言えます。

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