光ケーブル
光ケーブル(光ファイバーケーブル)は、一般家庭のインターネット回線向け(FTTH)としても普及してきて、馴染み深いものになってきました。
本項では、光ケーブルの特徴、種類などを説明します。
光ケーブルの特徴
光ケーブルは、ケーブルの中に光が通るように作られていて、光をチカチカして通信しています。実際に、ケーブルのコネクタを覗くと光が見えます。※目を傷めるので見ない方がいいらしいです。
屋外にケーブルを敷設して、落雷があっても影響を受けません。また、km単位の距離を接続可能なため、主として建屋内の階をまたぐ時、屋外に敷設する時に使われます。
光ケーブルのコネクタ
光ケーブルのコネクタには複数種類がありますが、主なものは以下のLCコネクタです。
ルーターやLANスイッチなどにはSFP(Small Form-factor Pluggable)を挿入し、光ケーブル用のインターフェースとして使います。LCコネクタは、このSFPに接続します。
LANスイッチなどの装置は内部で電気信号で動作していますが、SFPが光に変換してくれます。
以前は、LCコネクタより形状が大きいSCコネクタが使われていました。SCコネクタは、GBIC(Gigabit Interface Converter)に接続されます。GBICもSFPと同じで、ルーターなどに挿して使います。GBICは古いタイプなので、最近は形状が小さく新しいSFPとLCコネクタの組み合わせが主流です。
GBICを使っているLANスイッチと、SFPを使っているLANスイッチを光ケーブルで接続する場合、GBIC+SCコネクタ-------LCコネクタ+SFPといった接続も可能です。
なお、SFPは1G(1,000Mbps)までの速度で使います。10G(10,000Mbps)に対応したSFP+というのもあり、これもLCコネクタで接続します。
光ケーブルの種類
光ケーブルの種類は、大きく分けて2種類あります。マルチモードファイバー(MMF:Multi Mode Fiber)とシングルモードファイバー(SMF:Single Mode Fiber)です。
- マルチモードファイバー
- マルチモードファイバーは、一般的に信号の歪みが少ないグレーデッドインデックス型(Graded-Index)が採用されていて、GIケーブルとも略されます。接続距離は、規格にもよりますが2kmなどです。このため、建屋内の階をまたがる機器間の接続や、隣接した建屋間の機器での接続に使われます。マルチモードファイバーには、コア径(光が通る中心部分)50μmのものと62.5μmのものがあります。
- シングルモードファイバー
- シングルモードファイバーは、SMケーブルともいわれます。接続距離は規格にもよりますが10kmなどで、場合によってはもっと遠距離の接続が可能です。このため、建屋間、都市間などを結ぶために使われます。
光ケーブルで対応する規格
光ケーブルが対応する規格の代表的な例として、以下があります。
規格 | 速度 | 光ケーブルの種類 | 最大距離 |
---|---|---|---|
100BASE-FX | 100Mbps | GI | 2km |
1000BASE-SX | 1GMbps | GI | 550m |
1000BASE-LX | 1GMbps | SM | 5km |
10GBASE-SR | 10Gbps | GI | 300m |
10GBASE-LR | 10Gbps | SM | 10km |
1000Base-SX用のSFPと、1000Base-LX用のSFPは製品が異なります。このため、光ケーブルの種類(GI、SM)とSFPの種類(SX用、LX用)は合わせる必要があります。ただし、1000Base-LXではマルチモードファイバーも利用可能で、その場合は接続距離が極端に短くなります。
最近は、マルチモードファイバーとシングルモードファイバーの価格差はあまりなくなってきましたが、SFPは1000Base-SX用とLX用ではまだLX用の方がかなり高いです。10Gでは同様に10Gbase-SRとLR用のSFP+がありますが、さらに価格差が大きくなっています。このため、近距離接続にマルチモードファイバー、遠距離にシングルモードファイバーが一般的と思います。
2本で1通信
光ケーブルは、ツイストペアケーブルと違い通常は送信用、受信用に2本一組で使われ、Full Duplexになります。
本ページの最初にある光ケーブルの写真からも、2本が1組になっているのがわかると思います。
関連ページ
- 応用編「ツイストペアケーブル」