通信が非常に遅い
通信が非常に遅い場合に考えられるトラブルについて説明します。
現象
スイッチを1台介した通信で例えばWeb参照等を行うと非常に時間がかかる。他のパソコンでは問題ない。
切り分け方法
サーバーへpingを行って、殆どの応答がない、又は継続して応答が返って来たり、継続して応答がなくなる等不安定でないか確認します。
原因
不安定な場合、スイッチのインターフェースが壊れており違うインターフェースに接続すると直る事もありますが、パソコンが全二重でスイッチが半二重になっている等で一致していない可能性があります。
応用編の「ツイストペアケーブル」で説明した通り、全二重でも半二重でも送信用と受信用の芯があるため、一致していなくても通信自体は可能です。
このため、半二重でも本来は衝突しませんが、半二重は片方向通信であるため、送信中に受信があると信号を壊すジャム信号を送信し衝突が発生したように見せかけています。これにより半二重側は衝突を検知して再送を行うのですが、全二重側は衝突検知の仕組みがなく、フレームを送信し続けてしまいます。
このフレームは壊れているため全二重側はパケットロスになってしまいますが、TCPの機能によりタイムアウトを待って再送を繰り返して更に悪化するため、劇的に遅くなります。
対処
パソコンとスイッチでオートネゴシエーションか固定設定のどちらかで合わせます。固定設定の場合は全二重可能であれば全二重、不可なら半二重で合わせます。
又、10Base-5、100Base-TXでは、片方がオートネゴシエーションで片方が固定しか出来ない場合、オートネゴシエーション側は半二重になります。このため、固定側は半二重にします。
1000Base-Tの場合は片方がオートネゴシエーションで片方が固定の場合、オートネゴシエーション側のインターフェースがダウンするため通信出来ませんが、オートネゴシエーションが必須のためオートネゴシエーションで合わせます。
- 基本編「Half/Full Duplex」