光メディアコンバーター
ツイストペアケーブルには100m等制限長があり、長距離を接続出来ません。この制限長を越えて接続するためにはどのようにしたら良いでしょうか?
本項では、光メディアコンバーターについて説明します。
光メディアコンバーターの特徴
光メディアコンバーターは、ツイストペアケーブルを光ケーブルに変換し、接続距離を延長出来ます。
ツイストペアケーブルの制限長が100mの場合でも、光メディアコンバーターを利用すると100mを越えて接続出来ます。光メディアコンバーターの代わりにスイッチを利用する事も出来ますが、光メディアコンバーターの方が一般的に安価です。
尚、ツイストペアケーブルを延長するだけであれば、「延長コネクタ」が使えます。
但し、ツイストペアケーブルの制限帳は越えられませんし、屋外に敷設する事も推奨出来ません。短いツイストペアケーブルを延長するために使えるだけです。
光メディアコンバーターは光ケーブルに変換するため、ツイストペアケーブルの制限長を超え、屋外を跨いでも接続可能です。
光ケーブルと制限長
利用出来る光ケーブルは、マルチモードファイバとシングルモードファイバで、コネクタは最近ではLCコネクタが多く使われます。100Base-FXのコネクタはSCコネクタが殆どです。
規格は100Base-FX、1000Base-LX、1000Base-SX、10Gbase-LR、10Gbase-SR等が使われています。
このため、接続距離は上記規格と同じです。詳細は「光ケーブル」をご参照下さい。
光メディアコンバーターを利用した場合、ツイストペアケーブルで直結するのと同様でないと、接続機器の動作に影響が出ます。
例えば、ケーブル等の障害で切り替わる仕組みを構築したとします。光メディアコンバーターを利用して距離を延長した場合、光メディアコンバーターの先で発生した障害を検知出来ないと、切り替えが出来ません。
このような問題に対応するのがLink Fault Pass through、略してLFPです。
LFPは、光ケーブルやツイストペアケーブルのインターフェースがダウンした時に、他方のメディアをリンクダウンさせて接続機器に障害を検知させる事が出来ます。
LFPは、多くの光メディアコンバーターでサポートしています。又、DIPスイッチという小さなON/OFFスイッチで有効、無効に出来る装置もあります。
WDM対応
光メディアコンバーターの中には、WDMに対応したものがあります。
光ケーブルを利用した通信は送信と受信で2本一組で使われますが、WDMを利用したものは波長を変える事で1本で送受信が可能になっています。これを1000Base-BXと言います。
WDM非対応のものと比較すると高価ですが、新たに光ケーブルを敷設するより安価な場合が多くあります。
詳細は「WDM」をご参照下さい。
19インチラックへの搭載
光メディアコンバーターは小さいため、テーブル等に置けます。コアスイッチから複数の建屋に接続する等、沢山の光メディアコンバーターを使う場合、19インチラックに搭載するためのマウントキットが販売されています。
例えば、マウントキットを利用して12台の光メディアコンバーターを収容出来ます。
複数台の小さな機器があると煩雑になりますが、マウントキットがあると見た目が良くなりますし、作業や地震の時に落ちてケーブルが抜ける等のトラブルも防げます。
留意点
光メディアコンバーター利用時の留意点として、タグを使う場合は1,522バイト以上の長いフレームをサポートしている必要があります。又、一般的なスイッチで透過しないマルチキャスト系の制御信号を利用している場合は、透過できるようになっている必要があります。例えば、BPDUやEAPOLです。
最近では、通常はサポートしていると思いますが、念のため確認が必要です。