RIPの経路切替時間
経路が追加されたり、障害が発生したりした時のRIP経路変更は、どのようにして行われ、どの位の時間かかるのでしょうか?
本項では、RIPの経路切替の仕組みや、時間について説明します。
尚、RIPの動作や仕組みについては、「RIP」をご参照下さい。
RIPの経路追加
RIPはインターフェースがアップすると、全経路を送信するよう要求します。このため、直結したルーター間ではルーティングテーブルへの反映はすぐに行われます。
その後、ルーター間はデフォルトでは30秒間隔で定期送信して、経路情報を継続的に交換し合います。この定期送信間隔をUpdate Timerと呼びます。
定期送信は直結したルータ間で同時に繰り返さないよう、完全に30秒ではなくランダムなズレを発生させます。このため、完全な30秒ではありません。
他のインターフェースがアップした、他のルーターから新たな経路を受信した場合等は、即座に変更があった経路を送信します。これを、トリガーアップデートと言います。
このため、他のルーターは即座に新規経路がある事が分かります。
最近のRIPではトリガーアップデートをサポートしていますが、サポートしていない場合は定期送信で通知するため、経路の伝播は遅くなります。
タイムアウトによるルーティングテーブル切替
30秒の定期送信をデフォルトでは6回(180秒)受信出来ないと、タイムアウト(Invalid Timer)してその経路は失われたと判断します(下図①)。
この時、他の経路を受信すると、ルーティングテーブルを切り替えます(上図②)。
以下のように、インターフェースダウンを検知すると、トリガーアップデートにより経路ダウンを通知する事が出来ます。この経路ダウンの通知はルートポイズニングと呼ばれ、メトリックを16にしてRIP送信します。メトリック16の経路を受信した側は、経路が無効になったと判断します(下図①)。
この時、他の経路を受信すると、タイムアウトを待たずにルーティングテーブルを切り替える事が出来ます(上図②)。
タイムアウトやルートポイズニング等で無効となった経路情報は、ガベージコレクション(garbage-collection)と呼ばれる時間(デフォルト120秒)ルーティングテーブルに保持します。この経路のメトリックは16のため、他にRIPを送信する事で周辺装置に経路が無効になった事を通知(ルートポイズニング)出来ます。
周囲の装置もタイマーを待つ事なく経路を無効に出来るため、経路が冗長化されていた場合は切替を早く行えます。
尚、ガベージコレクションは、装置によってはホールドダウンタイマー(Hold Down Timer)と呼ばれます。又、CiscoではRIPが受信出来なくなって240秒すると、経路をルーティングテーブルから削除します。この時間はフラッシュタイマー(Flush Timer)と呼ばれます。
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