IGMPスヌーピングクエリア
ルーターの代わりに、スイッチがMembership Query(グループ参加の確認)を送信する事も出来ます。
本項では、IGMPスヌーピングクエリアについて説明します。
ルーターが存在しない時のIGMPスヌーピング利用
ルーターが存在しない環境でIGMPスヌーピングを利用すると、一時的に動画が参照できてもすぐ見れなくなります。
IGMPスヌーピングは、パソコンからのMembership Reportを傍受し、転送先インターフェースを覚えます。
この時、ルーターが存在しないとMembership Queryが送信されず、応答するMembership Reportはその後送信されません。このため、260秒等一定時間過ぎると転送先インターフェースの情報が削除され、動画が転送されなくなります。
IGMPスヌーピングクエリアの仕組み
Membership Queryを送信する機器をクエリアと呼びます。一般的に、マルチキャストルーティング出来るルーターがクエリアです。
ルーターから60秒間隔等定期的にMembership Queryを送信すると、動画参照を続けているパソコンからはMembership Reportで応答があるため、スイッチで転送先インターフェースの情報が削除されず、継続して動画が転送されます。
ルーターが存在しない環境では、スイッチが代理でMembership Queryを送信する事が出来ます。
これをIGMPスヌーピングクエリアと呼びます。
IGMPスヌーピングクエリアを利用出来ない場合、IGMPスヌーピングを無効にする必要があります。IGMPスヌーピングが無効な場合、マルチキャストのデータは全てのインターフェースに転送されます。
留意点
クエリアはサブネットに1つだけのため、他のMembership Queryを受信すると、自身は送信を停止する可能性があります。このため、IGMPスヌーピングクエリアは、動画配信サーバーに一番近いスイッチ(下図のスイッチ-c)だけ有効にする事をお薦めします。
もし、他のスイッチがクエリアになると、Membership Reportを受信出来ないスイッチ(下図ではスイッチ-c)が出てきます。
IGMPスヌーピングが有効な場合、Membership Queryを受信したインターフェースにだけMembership Reportを転送するためです。上図の例では、スイッチ-bはスイッチ-aにだけMembership Reportを転送します。この場合、スイッチ-cでは動画を参照するパソコンは存在しないと認識し、配信しません。