ネットワークエンジニアとしての出発

異業種からネットワークエンジニアに転職、若しくは派遣先に行く際は、技術的に分からない事や何をしてよいのか分からない事も多いと思います。そんな時のためのネットワークエンジニア特有のポイントを挙げています。

必須品

 ネットワークエンジニアに転職後、若しくは派遣として行く際、常に携帯しておきたい物はケーブル類です。パソコンをネットワークに接続するツイストペアケーブル、スイッチやルーター等を設定するシリアルケーブルは必須です。

薄型ツイストペアケーブルとシリアルケーブル

 ネットワークエンジニアになってすぐの時に、ケーブルを持ってなかったとしても会社で用意して貰える事もありますし、普通は問題にならないと思います。このため、必要性を感じた時に購入をお勧めします。

 詳細は設定編「設定を始める前に - Catalyst」やトラブル対応「ハードウェア」をご参照下さい。

 尚、いきなり現地に行くような時は、もしかすると事前に用意した方がいいかもしれません。

動作確認をお願いされた時

 ネットワークエンジニアになって最初にお願いされ易い仕事の1つとして、動作確認があります。例えば、スイッチやルーターにpingで通信出来るか、VLANが正確に割り当てられているか試験したりします。

 この時、お願いされなくても出来るだけログ等の結果を残しておく事をお奨めします。例えば、pingであれば結果をコピーしてメモ帳等で保存しておきます。Webであれば画面のコピーを保存しておきます。その後、作業をお願いした人にログ等を見せると、やり方が間違っていないか確認して貰えます。最初の頃は間違ってないか不安かもしれませんが、確認して貰う事で安心出来ます。

pingやWeb画面結果保存の例

 又、作業をお願いする人も、最初はどの位正確にやってくれるか分からない状態でお願いします。このため、ログを見せる事で作業が信頼出来るものかが分かります。この時、作業が間違っていると判断されても、もう1度教えて貰ってやり直せば大丈夫です。次の機会に教えて貰った事が活かせれば成果だと思います。

 一番怖いのは、間違っているか間違っていないか判断出来ない事です。判断出来ない場合、間違ったまま作業が進んでしまいトラブルの元になるばかりか、次からは余り信頼されない目で見られる可能性があります。

 ログ等を採取するのは、信頼されるように進める(身を守るための)保険だと思って下さい。

コンフィグ作成をお願いされた時

 少し慣れた頃に、スイッチやルーターの設定をお願いされるかもしれません。

 この時、サンプルのコンフィグと設計書や要件を書いたもの等が貰えないかお願いしてみる事をお奨めします。最初から難しいコンフィグの作成は依頼されないと思われる為、サンプルのコンフィグを設計書等の内容に合わせて変えるだけで、殆どが作成出来る可能性があります。

 設計書に全ての情報が書かれていない事や、教えて貰った情報だけで全てコンフィグが作成出来ない可能性も充分あります。その時は、自分で考えてよいのか判断する必要がありますが中々判断も難しいと思うので、自分で調べてメモしておきます。又、スイッチやルーター等実機が使える場合は、実際に設定して思った通りに動作するか確認すると良いと思います。

ルートブリッジ確認例

 コンフィグ作成後、お願いした人に報告する際、メモを元に判断が難しかった部分を確認します。又、相手から何故この設定になっているか質問された時、実機で確認した等答えれるようにしておきます。

 お願いした人が全てをチェックしてくれればいいのですが、そうでない時もあります。それが本番環境に適用されるコンフィグの場合、不安かもしれませんが間違ってても大丈夫です。試験で間違いは修正出来ます。アウトプットがないと、お願いした人は確認さえも出来ません。このため、ちゃんと調べる事は必要ですが、間違わない事だけを重視してコンフィグ作成が進まないよりは、少し不安でも完成させてみた方が良いかもしれません。

 アウトプットとは成果です。この件では、コンフィグ作成が成果に当たります。アウトプットを出す時に、どこまで正確か判断出来る材料を与える事で、依頼した人に信頼して貰えるようにする事も重要です。

保守で定常業務をお願いされた時

 保守作業に就いた時は最初は殆どの場合、簡単な定常業務をお願いされると思います。定常業務とは、VLANの追加やインターフェースを使えるようにする等、日々発生する作業です。

 定常業務に手順書がある場合は、手順書に従って行えば問題ないと思いますが、手順書がない事も多いと思います。この場合は、手順を教えて貰いながら実施しますが、1つ1つ確認しながら行う事が重要です。

 保守作業では実際に動作しているネットワークに設定を行うため、1つの間違いがネットワーク全体のダウンに繋がる事があります。技術的に分かってる場合でも、もしかするとその現場特有の設定があったりして間違う可能性があります。このため、来てすぐに自己判断で勝手に行動すると、信頼を大きく損ねる要因になります。

 分かってる内容でも、最初は1つ1つ確認して貰いながら進めた方が無難です。

いきなり現場に行く時

 いきなり現場に行く事になった時は、不安だと思います。この時、もしかすると用意しておくだけで役に立つ物があります。意外に思うかもしれませんが、電源タップです。

 保守のように常時いる場所ではない場合、現場によっては電源コンセントが少なくて皆が電源を使えない事や、電源まで届かない事もあります。このため、コードを延長出来る電源タップを持っていると、自分だけでなく皆が助かる場合があります。

 又、同様の理由で小型のスイッチもお奨めです。ネットワークに接続出来るインターフェースが少ない、部屋の遠くにある等の理由で困る場合があります。このため、スイッチを持っていると皆の役に立つ事が出来ます。

 電源タップもスイッチも、口は多くなくても持ち運ぶ時にかさ張らない程度に4つ位あればいいと思います。

 尚、現場で作業する時はケーブルに気を付けて下さい。床下にケーブルが配線されていればいいですが、構築中等は床上に大量且つ煩雑に仮配線されている事もあるため、足を引っ掛けて転ぶとケガをする可能性がありますし、光ケーブルは踏んだだけで折れてしまう事があります。

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