BGPのMULTI_EXIT_DISC属性

BGPのMULTI_EXIT_DISC属性について説明しています。

MULTI_EXIT_DISC属性の定義

MULTI_EXIT_DISC属性の定義は、以下のとおりです。

【MULTI_EXIT_DISC属性の定義】
項目 説明
タイプコード 4
カテゴリ オプション非転送(Optional non-transitive)
概略 EBGP接続した他ASへ優先度を通知するメトリック
パス属性値 4バイトのメトリック
(1-4,294,967,295)

カテゴリがOptional non-transitiveの場合、BGPスピーカーでサポートは必須ではないため、解釈できない可能性があります。解釈できない場合は、属性を削除してBGPピアに送信する必要があります。

EBGPでの動作

EBGP(External Border Gateway Protocol)で他ASと複数接続がある場合、MULTI_EXIT_DISC(MED)属性が小さい経路が優先されます。

MEDが200の経路と100の経路では、100の経路が優先される。

NLRIごとにMEDの値を変えれるため、宛先ごとに異なる経路を優先できます(図で例えると、宛先によっては上の経路を使ったり、下の経路を使ったりして分散できます)。

ただし、実際にMED属性が小さい経路を優先するかは、受信側のポリシーによります。

また、MED属性は直接接続したAS間での優先度を示すため、他ASへ転送してはいけません。

IBGPでの動作

IBGP(Internal Border Gateway Protocol)では、他ASから受信したMED属性を転送することもできます。

IBGPではMEDが転送可能なため、受信したBGPスピーカーはMEDに基づいて経路の優先度を決定できる。

これにより、AS内でどちらの経路を優先するか決定する要素となります。

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