ツイストペアケーブル

ツイストペアケーブルは一般家庭でも使われており、馴染み深いケーブルです。

本項では、ツイストペアケーブルの特徴、種類などを説明します。

ツイストペアケーブルの特徴

ツイストペアケーブルは、8芯の銅線を束ねて1本のケーブルにしています。ツイストという名前からわかるとおり、2芯を撚り合わせてノイズに強くしています。ノイズの影響を受けると01の判断ができないため、通信エラーになりやすくなります。

ツイストペアケーブル全体画像

屋外にケーブルを敷設して落雷があると高電圧になり、接続されている機器が故障する可能性があります。また、普通100mが機器間を接続できる制限長のため、主として家庭内や同一階の機器を接続するために使われます。

元々は、銅線のケーブルは同軸ケーブルが主流でした。同軸ケーブルで接続する規格を、10BASE-5と言います。同軸ケーブルはテレビのアンテナを接続するために使われていますが、太くて取り回しが困難であり、技術の進歩とともに徐々にツイストペアケーブルが主流になって来て今では見かけることはほとんどありません。ツイストペアケーブルの規格は、10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-Tなどと言われていて数字の所が帯域のMbpsを表しています。

ツイストペアケーブルのコネクタ

ツイストペアケーブルのコネクタはRJ45です。電話線のコネクタと非常によく似ていますが、電話線は4芯でコネクタはRJ11と言ってRJ45より少し小さいものになります。

RJ45コネクタ

コネクタには爪が付いていて、機器のインターフェースに接続する際は押し込むと接続されて、引き抜く際は爪を押さないと抜けないようになっていて抜けにくくなっています。

ツイストペアケーブルの爪

シールド

ツイストペアケーブルにはシールドで保護されたSTP(Shielded Twisted Pair)と、シールドがないUTP(Unshielded Twisted Pair)の2種類あります。STPはノイズの影響を受けにくくなっています。UTPはSTPと比較してノイズの影響を受けやすくなりますが、建物内で使う分には問題ないため、多くの場合は安価なUTPが使われます。

カテゴリー

ツイストペアケーブルは、ノイズへの耐性がどれだけあるかによってカテゴリー分けされています。カテゴリーごとに、対応できる規格が決まっています。

【カテゴリー】
規格 速度 カテゴリー
10BASE-T 10Mbps 3
100BASE-TX 100Mbps 5
1000BASE-T 1Gbps 5e
10GBASE-T 10Gbps 6A

例えば、1000BASE-Tで接続するためには必ずカテゴリー5eでなければいけない訳ではなく、5e以上(6Aなど)であれば接続可能です。カテゴリーが高い方が、速度が速い規格にも対応できるということです。

ストレートとクロスケーブル

ツイストペアケーブルは元々はパソコンを、LANスイッチと同じような機器でMACアドレステーブルを持たないリピータハブという装置に接続することを前提に作られていました。これを、ストレートケーブルと言います。

このため、ストレートケーブルはパソコンをLANスイッチに接続するためには普通に接続できますが、パソコン間を直接接続すると同じ芯で両方が送信しようとして通信が成り立ちません。

パソコン間をストレートケーブルで接続

このような機器間でも通信できるようにするには、コネクタ上でABと並んでいる芯を片方のコネクタでBAの順のようにクロスして作ります。これをクロスケーブルと言います。クロスケーブルを用いることで、以下のように正常に通信が可能になります。

パソコン間をクロスケーブルで接続

MDIとMDI-X

ストレートで接続するのかクロスケーブルで接続するのかは、インターフェースの種類で決まります。

パソコンなどと同じ種類に属するのはルーターで、この種類をMDI(Medium Dependent Interface)と言います。ハブやLANスイッチに属するのはMDI-X(Medium Dependent Interface Crossover)と言います。

【MDI、MDI-Xに属する機器】
種別 機器
MDI ルーター、パソコン、サーバー
MDI-X LANスイッチ、リピータハブ

同じ種類を接続する場合はクロスケーブル、違う種類を接続する場合はストレートケーブルで接続することになります。

最近ではMDIにもMDI-Xにもなれる機器が多く、この場合は自動で調整します。この自動調整を、Auto MDI-Xと言います。

Auto MDI-Xをサポートしていれば、ストレートケーブルでもクロスケーブルでも接続可能です。つまり、LANスイッチとLANスイッチの接続であっても、ストレートケーブルで接続できるということです。双方がAuto MDI-Xをサポートしていなくても、片方だけでも大丈夫です。

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