豆電球で通信

通信という目に見えないものが簡単にわかるように、第一話では通信を豆電球に例えて紹介しています。

通信は豆電球と同じ

小学生くらいの時、乾電池と豆電球をつないでスイッチを入れたり切ったりして実験された方もいると思いますが、通信の基本はそれと同じです。以下の図のようにスイッチを入れたり切ったりすることで、豆電球を見ている相手はスイッチを入れている、切っているとわかると思います。

相手豆電球線スイッチ自分

豆電球が切れている時を0、豆電球が点いている時を1と決めておき、さらに10なら「おはよう」、1100なら「こんばんは」と決めておくと、豆電球を使って相手と会話することも可能です。上の青色の線が遠くの人と結ばれていれば、遠地の人と会話もできます。

実際の通信でも0、1を連続してやり取りし、パソコンではこれを解釈してディスプレイに表示しているのです。

おはようと判断するか、こんばんはと判断するか

豆電球で通信する際、豆電球が点いて消えたら「おはよう」、2回点いて次に2回消えたら「こんばんは」と決めておきます。つまり、10なら「おはよう」、「1100」なら「こんばんは」です。では、以下は何と言っているのでしょうか?

豆電球

実際、「おはよう」なのか「こんばんは」なのかわからないと思います。1回点いて1回消えているようにも見えますし、2回連続で点いて2回連続で消えているとも言えます。これは、どのくらいの長さ点いていれば1回なのかを決めてないからです。

1秒豆電球が点いている、または消えていれば1回と決めておくと、2秒豆電球が点いていれば2回点いたことになります。こう決めておけば、上では大体1秒ごとに点いたり消えたりしているので、「おはよう」と何度も言っていることになります。2秒点いて、2秒消えれば「こんばんは」と言っていることになります。

豆電球の正体

豆電球が消えている時を0、点いている時を1としましたが、これはビットと言われています。1秒点いていれば1と決めた場合、1秒間に1ビットを伝えるので1ビット/秒(1bps)ということになります。また、「おはよう」は10と決めた場合、2ビット使っているので「おはよう」を伝えるためには2秒かかります。

たくさんの決まりごとを作ると、たくさんのビットを必要とします。本当に短時間で通信できるのかと不思議に思う方もいると思いますが、最近は1秒間にたくさんのビットを伝えることができるようになりました。よくADSLは12Mbps、光は100Mbpsの高速と宣伝がありますが、これは1秒間に0、1を12,000,000回、もしくは100,000,000回伝えることができるということです。つまり、1秒間に豆電球を1,200万回、もしくは1億回点けたり消したりできるのです。1秒にこれだけ伝えられれば通常は問題ありません。

なお、豆電球を点ける際、スイッチを入れて電圧をかける必要がありますが、実際の通信においても電圧の強い、弱いで0、1を判断しています。このため、豆電球での通信は実際の通信とほとんど同じで、そのやり取りにおける取決めがネットワークの進化とともに複雑化しているのです。

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